突き指は、指関節の構造図を見ても解る通り指に存在する14個の関節全てで突き指を発症する可能性があります。
これは私達の祖先である猿人類が、2足歩行を行い、火を扱うようになり、様々な道具を作ったり道具を利用する課程で繊細な動きが可能となるように進化してきた大きな特徴です。
その為、複雑な動きが可能である一方で、強い外力には弱い関節構造となっている点もひとつの特徴です。
では、ここで突き指を発症しやすい代表的な主なスポーツ競技を見てみましょう。
【突き指を発症しやすい主なスポーツ競技】
●バスケットボール
●バレーボール
●サッカー(特にキーパー)
●ハンドボール
●ドッジボール
●野球(キャッチャーは特に多い)
●ソフトボール
●柔道
●空手
●ラグビー
●相撲
●レスリング
●ボクシング
以上が、突き指を発症しやすい主なスポーツ競技の代表です。
この一覧を見るとひとつの特徴に気がついた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうですね、前半は「球技系」のスポーツ競技、そして後半は「コンタクト系」のスポーツ競技となっております。
実際に突き指を発症する競技は球技系の競技やコンタクトのあるスポーツに圧倒的に多く発症している傾向が伺えます。
特に球技の中でも最大の大きさのボールを扱うバスケットボールは、激しいコンタクトを伴う球技でもある為、突き指の発症率がとても高いスポーツ競技であると言えるでしょう。
スポーツ外傷が完全に回避することが出来ない理由は、疲労性のオーバーユース症候群などの障害と異なり、突発的な大きな外力によって障害を発症する為です。
尚、球技ではボールのキャッチの際に特に突き指の発症が高くなります。
野球ではキャッチボールでも受け方が悪ければ突き指を発症しますし、バレーボールではオーバーハンドトスや相手のスパイクをブロックした際にも突き指を発症しやすくなります。
サッカーのキーパーであれば、特に至近距離のシュートなどでシュートに反応しているものの手のひらで受ける事ができずに親指を強く痛めてしまうようなケースも多くあります。
バスケットボールではパスキャッチだけでなくリバウンドや、パスカットの際にも突き指を発症します。
球技系競技で突き指を発症する際は、「やや鈍い音」が響き渡るので、このようなケースでは真っ先に突き指の可能性及び骨折の可能性を検討していく事になります。
これらのスポーツ競技を長年実践している方で、今まで突き指を経験した事が無いという方はおそらくほとんどいらっしゃらないかと思います。
それほど突き指は発症率の高い障害ですから、応急処置方法や予防対策の知識を身に着け、突き指と上手に付き合っていくという姿勢も大切かと思います。
しっかりとした知識を身につけておけば自分だけでなくチームメイトや仲間が突き指をした時の応急処置も迅速に対処できるようになるはずです。
よく、「突き指はくせになる」という言葉を耳にすると思います。
果たしてそれは本当でしょうか?
答えは、突き指はくせになる
ではなく、
●関節を固定している靭帯が緩くなる
という解釈が正しい答えであると言えます。
指の靭帯に限らず、人体の各部位に存在する靭帯組織は、繰り返し伸ばしてしまうと徐々に靭帯の蘇生が追いつかなくなります。
その為、繰り返し突き指を発症し続けると、徐々に突き指がしやすい関節に変化していってしまう可能性があるのです。
特にボールを指で扱う「バスケットボール」や「バレーボール」や「ドッジボール」、また「サッカーのゴールキーパー」などはキャッチやトス、シュートを受けるたびに常に突き指を発症する可能性があります。
その為、何度も突き指を繰り返し発症しがちな方はテーピングやサポーターによる予防などを事前に行いしっかりとした突き指の予防対策を行なっていくことが重要になります。
自分で出来る突き指の治療の基本は突き指の治療方法・応急処置の項でも最重要点としている「アイシング処置」が最優先の治療となります。
そもそも関節内の内出血を抑制することさえ出来れば、突き指は短期間で治す事が出来るためです。
自分で応急処置を行う場合の基本は、まずアイシング。
そして、アイシングを行い、内出血の拡大を防いだ状態で、「患部の固定」という手順で処置を行いましょう。