突き指のテーピングでは、怪我を発症後に行う
●悪化を防止するテーピング
と、バレーボールなど指関節へのダメージが大きいスポーツアスリートが行う
●予防としてのテーピング
の2種類のテーピングがあります。
予防としてのテーピングと悪化を防止する固定式のテーピングではテーピング方法が異なります。
突き指のテーピングでは、注意点すべきポイントがいくつかあります。
最も注意すべきポイントは、
●怪我を受傷直後
にテーピングを行うケースです。
突き指を発症した直後は、患部に血液が急速に集まり、患部は腫れ上がります。
この時、テーピングを巻いておくと
●血液の逃げ場
がなくなってしまい、指関節の血管組織にダメージを与えてしまうケースがある為です。
大きな大会などでどうしても強行出場しなければいけないケースなどは別として、突き指受傷後は基本的に
●応急処置
をまず行い、競技は終了し怪我の回復に専念する事が大切です。
但し、試合中などに突き指をしてしまった場合で、どうしても強行出場しなければいけないと判断する場合は、指の靭帯組織が部分的に断裂している状態でもある為、逆に必ずテーピングなどで靭帯組織の補強を行う必要があります。
その場合は、指の関節が緩んでいる状態でもあるため必ず後述するバディテープによるテーピングを行います。
バディテープは前項の突き指の治療方法・応急処置の項で解説したRICE処置ではBの固定措置に該当します。
尚、突き指は場合によっては1シーズンに渡って痛みを伴うケースもある指の関節障害ですから決して軽視してはいけない障害である事を理解しておくことが重要です。
突き指のテーピング方法を解説します。
ここでは既に突き指をしてしまっており、回復までの期間に行うべきテーピング方法です。
指の関節全体を固めるのでは無く、血液の逃げ場を確保してあげる点がポイントです。
@アンカー
突き指のテーピングはまず、アンカーを「関節をまたいで」巻きつけます。
アンカーとは全てのテーピング処置の基本となるテープラインの事です。
アンカーの巻き方は指に沿って巻いていき、例えば第2関節を突き指した場合は、第一関節と第二関節の中間の肉厚の部分と、第2関節と第3関節の肉厚の部分に巻きつけます。
※このアンカーは常にテーピングの基本です。
Aクロステープ
次にこのアンカーの両サイドからクロスするように双方のアンカーに向けてテーピングを貼ります。
見た目としては、受傷した第2関節部分の指の側面でクロスしているイメージです。
クロステープのポイントとしては、指を軽く曲げた状態でテーピング固定を行うことです。
きつすぎると血液の循環を損なうこととなります。
B固定
次に、クロスしたアンカーテープの上に、固定用の補強テープを指側面に真っすぐ張り付けていきます。
指の側面がテープで隠れる状態で指の甲面と指の腹面に隙間が確保できていればOKです。
この隙間は突き指発症後は血液が患部に集中し腫れてくる為、その血液の逃げ場として確保します。
Cサポート
最後にもう一度、アンカーと同様に、今度はクロステープを先に貼り、最後に指に沿って再度アンカーテープを貼り付けます。
指の固定状況を確認し、指が意図的に簡単に曲げることが出来ない程度の状態で固定されていればOKです。
以上で、突き指のテーピング処置は終了となります。
尚、突き指のテーピングで使用するテーピングは、テーピングの幅が13ミリ〜19ミリの細身のタイプを使用します。
価格は400円〜500円程度で手に入るので部活動などを行っている場合は救急箱に常時13ミリ〜19ミリサイズのテーピングを最低でもひとつは準備しておきましょう。
@−2バディテープ
突き指を発症した指の隣の指も合わせてテーピングで固定するテーピングの事をバディテープと呼びます。
前述したように回復期に行うテーピングでは、指が軽い屈曲動作ができる程度の補強を行い、血液の逃げ場も確保してあげるテーピングを行います。
しかし、もし競技練習を行う場合は、シーネなどの装具で固定も可能ですが、より強く補強する目的でバディテープで指を「添え木」のような役割で固定し安定を図ります。
バディテープを行う際はどの指を固定すれば良いのか迷うかもしれませんが、基本は「突き指をした指の尺側の指」を一緒に固定することが原則です。(尺側=小指側)
仮にもし中指の突き指をしてしまった場合は、中指側から見て小指側にある隣の指である「薬指」を添え木代わりに一緒に固定する事になります。
バディテープは隣の指も一緒に固定してしまう為、固定力は強くなりますが指先の細かいパフォーマンス能力は低下する事になります。
スポーツアスリートの方は固定力があり通気性の高いスポーツ専用の指サポーターを利用するのもひとつの方法です。